東海鉄研 車両図鑑

No.008 広島電鉄5100

 現在では多くの都市で導入が進んでいる超低床の路面電車用車両だが、当初は外国製車両が多数を占めていた。広島電鉄でも1999年にドイツ・シーメンス社製の5連接超低床車である5000形が運用を開始。しかし、5000形は瀬戸内の温暖多湿な気候に合わず、車内のレイアウトも日本の利用形態に合わなかった。また、修理の際はドイツへの輸送が必要で、メンテナンスコストが高いという欠点もあった。これらの反省を踏まえ、2005年に登場したのが5100形(グリーンムーバーマックス)である。同車は広島電鉄、近畿車輛、三菱重工業、東洋車輌製造の4社が共同開発した、純国産の超低床車両である。車内は座席配置を改善し、混雑の緩和に貢献したほか、車いす移動スペースの確保やドアチャイムの設置などバリアフリー対策も実施。文字通り、人と環境を動かす車両として親しまれている。現在、1号線(広島駅〜紙屋町東〜広島港)を中心に全10編成が活躍中。なお、2012年度には同車をベースにした3連接車も投入予定である。

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